前編にてオリンパスのマイクロフォーサーズの技術革新は
7年間、機種にして3世代前のフルサイズ機とほぼ同クラスの解像度であるということが証明されました。
まずは機種のおさらいから。
①MFT オリンパス OM-D E-M5 Mark III 12-45mm F4.0 PRO キット
2019年発売 想定価格160600円
2037万画素 焦点距離(35mm時)24-90mm 重量670g
5軸手ブレ補正(使用するレンズにより段数が異なる最高5.5段)
②フルサイズSONY SLT-A99V+SAL2470Z
2012年発売 想定価格315000円+252000円
2430万画素 焦点距離(35mm時)24-70mm 重量1688g
ボディ内手ブレ補正(使用するレンズにより段数が異なる2.5~4.5段)
今回は夜景編です。
今回も輪郭などのレンズの性能差は出来る限り考慮しないこととします。
E-M5 Mark III

SLT-A99V

まずは三脚を立てることができない状態でフェンス越しの撮影です。
遠景の解像感に少し差が出ていますね。
逆に写真ではわからない差として「ショット数」が挙げられます。
地面が不安定な状況下ではフルサイズ機は大量の失敗写真が羅列することになります。
これは5軸手ブレ補正の効果が非常に大きく、
このくらいの写真であれば、適当に数ショット撮影しただけで撮影できてしまいます。
SLT-A99V失敗例 ほんの少しのブレも許されず・・・

次に三脚を用いた撮影です。
三脚を使用している状態では解像感で大きな差は見られません。
適切なISO感度や露光時間などの撮影要素と色合いなどレンズの性能差が大部分を占めてきます。したがって、12-40mm F2.8 PROやED 25mm F1.2 PROを用いて比較していればより差は無くなっていたでしょう。
E-M5 Mark III 作例1

E-M5 Mark III 作例2

SLT-A99V 作例1

SLT-A99V 作例2

最後にライブコンポジットならではの遊びとして。
自宅に帰って編集ソフトで合成なんて、とても無理・・・
パソコンなんて使えないし・・・
もし、それをカメラが勝手にやってくれて、
その場で見ることができたとしたら?
最後はやっぱりこれですよね!
いつまでたっても明るくならない・・・?

液晶画面を見ながら、ペンライトで光をちょっと足し!

いかがでしたか?
ちょっと前のカメラを持ってるけど重くて・・・という方は一度機材を見直してみましょう。
最後までお読みいただき、有難うございました。
今回の使用の機材はこちら
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去る6月24日、カメラ業界に激震が走ります。
オリンパスカメラ事業を分社化して、投資ファンドに売却する予定 とのこと。
高解像度を追求したフルサイズ機と小型・軽量を追求したマイクロフォーサーズ機。撮像素子もたった半分しかありません。
似て非なる用途のカメラであるために、本来比較するべきものではありませんが、オリンパスの技術はどこまで革新されたか という観点で比較してみようと思います。
私の所有しているカメラの中から、今回用意した機材は以下のとおり。
①MFT オリンパス OM-D E-M5 Mark III 12-45mm F4.0 PRO キット
2019年発売 想定価格160600円
2037万画素 焦点距離(35mm時)24-90mm 重量670g
5軸手ブレ補正(使用するレンズにより段数が異なる最高5.5段)
②フルサイズSONY SLT-A99V+SAL2470Z
2012年発売 想定価格315000円+252000円
2430万画素 焦点距離(35mm時)24-70mm 重量1688g
ボディ内手ブレ補正(使用するレンズにより段数が異なる2.5~4.5段)
大きいです、重いです、、、(価格m)

上から見ると、こんな感じ

カタログスペックは似たり寄ったりで、ちょうど7年間の技術革新ということになりますね。では、手持ち撮影による物撮りのサンプル画像を比較してみましょう。
E-M5 Mark III

SLT-A99V

赤い部分を拡大してみると、、、

こうなります。

デジタルらしい質感でありながら、MFT機がフルサイズ機を上回る解像感を得ることに成功しています。MFT機に軍配というところでしょうか。
12-45mmは非対応ですが、特定のレンズとの組み合わせでの「深度合成モード」を併用することで、さらに解像感と全体のバランスを引き上げることが可能となっています。
(ただし、あくまで合成写真とするため、拡大時は違和感が生じてしまう可能性あり。少し注意が必要です。)
残念ながら、室内では蛍光灯を拾ってしまったのか、少し緑っぽく補正してしまいました。これはレンズ性能の本質部分でもあり、味のある、柔らかな表現をこのレンズに求めるのは酷というものでしょう。
解像感は負けてしまったものの、人間の目に限りなく近い表現力は流石ツアイス品質といったところです。
次はスナップ撮影です。
E-M5 Mark III

SLT-A99V

どちらも窓ガラス1枚1枚しっかりと描写できています。
しかし、レンズによる実力差に加えて、HDR(逆光補正)に差がつきました。オートHDRはαシリーズの特徴ですが、一応フルサイズ機に軍配としておきましょう。
SLT-A99VはオートHDRに対して、E-M5 Mark III ではシーンモードからの設定が必要です。スナップシューターにも関わらず、連写による合成が必要となるのはちょっと不便ですね。
次に三脚を使用したスナップ撮影です
E-M5 Mark III

SLT-A99V



ところ変わって、陽も傾きはじめ、刻一刻と条件が変わるために、単純にレンズの性能がモノを言う場面です。ここまで拡大することはまず無いと思いますが、解像感が完全に逆転してしまいました。
個人的には陰りのある雰囲気も好きなのですが、ここは「水都大阪」。
今回もフルサイズ機が勝ってしまうのか・・・?
ちょっと待った。
三脚使用ならE-M5 Mark III には「ハイレゾモード」がある。
E-M5 Mark III(ハイレゾモード)


残念ながら、解像感はまだフルサイズ機が上回っていました。。。
しかし、思い出してください。
レンズにして約20万円、セットにして40万円、重量にして約2.5倍の重量差があることを。
今回は都合により割愛していますが、内視鏡のオリンパス、接写(マクロ撮影)も得意です。付属の12-45mmで最短撮影距離は驚異の12cm。SAL2470Zはテレ側70mm付近でないとピントすら合ってくれません。
たった7年間でフルサイズ機とほぼ同レベルと言っても遜色ないレベルまで技術革新していたと言っても過言ではありません。
後編は夜景メインです。
実はSLT-A99Vは夜が全然ダメなんです。ハッキリ言って使い物になりません。どうなることやら。
後編につづく
今回の使用の機材はこちら

閑話休題)
α99は賛否両論あったTLM機構の流れを汲んでおり、光量低下が問題となった機種でして、露出補正で常に+側に振っておく必要があります。完全に同条件で撮影したとするするならば、また違った答えが出たかもしれませんし、常に三脚を使用しての物撮りであれば、より差は明確に出たかもしれません。
どちらを好むか ということは人それぞれであり、TLM機構は少なくとも当時のカメラおいては最先端の技術であり、光量低下を犠牲に物理的に経年劣化の発生のしにくい、7年の時間が経ってなお稼働するその姿は、ソニータイマーなどと言われたソニーのモノづくりの考えを真っ向から否定したミノルタの系譜を組む集大成のカメラであると。
このカメラの失敗と反省から現在の主流であるフルサイズミラーレス「α」という選択に移行していくのです。
いろいろ検証して、MFT機にすら負けそうで、放り投げたくなった。
でも、まだまだ使ってあげようと思う。